こんにちは、「本シェルジュ」の冬野です。
ChatGPTをはじめ多くの生成AIが開発され、日常生活でも利用が手軽になり、無意識のうちにこれらのサービスを使っているということも。
生成AIの普及によりなくなる仕事、新しく生まれる仕事という話題もよく聞かれますが、そういう1か0かの議論ではなく、仕事や生活の中で生成AIとどう付き合うかという話かもしれません。
生成AIは様々な解を返してくれますが、必ずしもそれが正解とは限りません。正解か否かは私たち次第だからです。では、正解は何か?それを考えるための考える力を鍛える一冊。
より多くの解が得られる時代だからこそ、よりよい答えを得るために読んでみたい一冊です。

1.本日紹介する書籍

自分で考える力を鍛える 正解のない教室
株式会社 朝日新聞出版(2023年)
矢萩邦彦
Amazon URL  https://amzn.to/3DgiO7f

2.本書を選んだ理由 どんなひとが読むべき?

Chat GPTなど生成AIを活用した業務に携わろうとしている人
社会課題など今まで解決されていない課題に取り組もうとしている方
戦略・ビジョンの策定にかかわる人

3.付箋 ~本書からの内容抽出です

序章 ぼくたちは何を学べばよいのか?
「学は人たる所以を学ぶなり」これは、江戸時代の教育学者、吉田松陰が教えた松下村塾のコンセプトで、「学びとは人であるからにはどうあるべきかを探求することだ」ということです。

第一章 僕らを探しに 自分をめぐる冒険
あるかどうかわからない答えを追い求めることにもロマンを感じますが、答えがあることは分かっているけれど、まだ誰も最適解を見つけていないような問いには、特に希望を感じます。

選択できる状況にあるとき、ぼくたちは自由を感じます。選択するためには、選択肢が必要です。選択肢は今見えているものだけではありません。すでにあるのにも関わらず気づいていない選択肢もありますし、まだ存在しない選択肢もあるはずです。それらを見つけ出し、あるいはつくりだすこと。

第二章 ちゃんと考えるために 論理をめぐる冒険
「寒い」の対義語は「暑い」で、そのふたつの状態をつないだものが軸になります。〈軸〉のイメージが共有できれば格段に伝わりやすくなります。一方で「お金か友情か?」みたいな問いは、あまり意味を成しません。同軸上に乗せられるようなものではないからです。


過去があってもなくても、未来には影響ありません。であれば、原因として過去を採用するかどうかは選択できる。

第三章 世界を知るために 認知をめぐる冒険
ぼくたちは何を知っていれば、AIやロボットと共存してうまくやっていけるのでしょうか?その答えの一つが、AIやロボットとぼくたち人間の違いを認識することです。

いまのAIがどれだけ進化したところで構造上できないこともたくさんあります。たとえば、AIは自分自身を疑うことはできません。コミュニケーションも苦手ですし、あらゆることに意味を感じることもできません。AIは失敗しても自分ではそれに気づけません。自分軸に従って倫理的になにが善かを考え決断することもできません。

自分自身や、自分を含む全体(組織や国家など)を疑うことを「自己言及」といいます。
自己言及するための方法に「振り返り」があります。このように「振り返り」を繰り返しながら成長していく学び方をアメリカの教育学者デューイは、探求と呼びました。

第四章 ぼくらと世界の物語 言語をめぐる冒険

人間の言語は身体感覚をもとに、あとから獲得されたもので、”本体”はあくまで人間、つまり、ぼくたちの(精神を宿す)肉体です。

イメージと結びついていない言葉は、暗号(コード)と同じです。情報化が進む社会では、ぼくたちは日々、大量の知らない言葉にさらされています。それは知らないことを知り、世界を広げるチャンスでもありますが、同時にイメージにひもづいていない〈暗号〉を集めてしまうリスクもあります。

これからの時代にぼくたちが磨くべき力は、抽象と具体の間を行き来して使いこなす力、すなわち、プログラムされていない未知なるものと、すでに知っているものの共通点を探し、活用する力といえそうです。

まったく同じ成分で同じ味の手料理と調理ロボットの料理だったら、どちらを選びますか?

4.今日の気づき

なにが正解かは人間が決めることだということ
正解は人間としての実感に基づくものであること
自然界も人間も、それまでのルールにないことに挑戦した結果、いまがあること
AIを活用した新たな生き方の可能性があること

5.本書の目次

序章 ぼくたちは何を学べばよいのか?
第一章 ぼくらを探しに 自分をめぐる冒険
第二章 ちゃんと考えるために 論理をめぐる冒険
第三章 世界を知るために 認知をめぐる冒険
第四章 ぼくらの世界と物語 言語をめぐる冒険
終章 ぼくたちの物語を描く
OpenEnding ぼくたちの物語はどうなっていくのか?

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【タイトル】自分で考える力を鍛える 正解のない教室
矢萩邦彦(著)
株式会社 朝日新聞出版(2023年)
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