みなさん、こんにちは。本シェルジュの岩永です。

今年は梅雨らしい梅雨がないまま、猛暑に突入した感じですね。
今日で7月は終わりますが、まだまだ、暑い日が続きます。仕事に、勉強に、家
族サービスに頑張りましょう!

さて、みなさんは、月に何冊くらい本を読みますか?

文化庁の平成 25 年度「国語に関する世論調査」の結果(調査対象:全国16歳以
上の男女)によると、

「1か月に大体何冊くらい本を読んでいるか」の質問に対して、

「読まない」の割合が 47.5%と最も高く、次いで,「1,2冊」の割合が 34.5
%,「3,4冊」の割合が 10.9%,「5,6冊」の割合が 3.4%,「7冊以上」
が 3.6%となっている。

とのことでした。

本を読むということは、暇つぶしの手段の一つでもありますし、娯楽の一つでも
あります。その観点では、スマートホンの普及で電車などでの時間の潰し方が、
本ではなくなってきているのも納得できます。

とはいえ、ビジネスパーソンの視点では、本を読むということは必ずしも、暇つ
ぶしや娯楽だけの意味ではないはずです。

何か、仕事や経営に役立つ、賢者の経験や知恵を得たいと期待して読んでいるは
ずです。

一方で、時間は限られていますから、読むべき本のアドバイスがほしいとも思う
わけです。

我々、本シェルジュメンバーは、ビジネス書の中で良書のご紹介をしているわけ
ですが、ビジネス書紹介の第一線を突き進んでいるのは、土井英司さんでしょう。
「ビジネスブックマラソン」というビジネス書書評のメルマガを、なんと毎日、
10年以上発刊しています。(すごすぎる・・・!!)

毎年1000冊以上、毎日、3冊以上、これまでに2万冊以上を読まれたそうです。

本日は、その土井さんが、書かれた
「一流の人は、本のどこに線を引いているのか」をご紹介します。

「一流」とかを、本のタイトルにつけるあたりは、サンマーク出版らしい印象
ですが、中身はさすが!でした。

特にインパクトがあったのは、「自己陶酔線」(共感できる箇所に線を引くこと)
は、意味がない!と書かれていることでした。

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1)本日紹介する書籍
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一流の人は、本のどこに線を引いているのか
サンマーク出版(2016/10/17)240ページ
土井英司 (著)
AmazonURL:http://amzn.to/2vBTZBY

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2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?
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ビジネスパーソン、特に経営者や、その経営者の支援をするコンサルタントに
はお勧めです。
本書は、ビジネス書の読み方についてがテーマであるもの、これまで著者が読
んだ本の中から特にお勧めのものが紹介されています。経営学的な要素を勉強
したい方、勉強しなおしたい方のガイドとしても優れた1冊です。

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3)付箋 ~本書からの内容抽出です
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■P.6より
1冊の本にたった1本の線が引ければ、本の価格を十分回収して余りある成果に
なる。

■P.10より
人は、1日のほとんどの時間を「働く」ことに費やしている。この時間が充実し、
喜びを味わえるようになれば、人生はカラフルになる。

■P.31より
もしもあなたが、本の感想を聞かれて、「おもしろかった」「つまらなかった」
などと答えているとしたら注意が必要だ。そこから何を感じたか、自分の世界
をどのように広げられそうか、を答えたい。それが答えられないのだとしたら、
あなたの目的意識が薄いか、その本に価値がないか、いずれかだろう。

■P.37より
自分の考えや信念を後押ししてくれるような1文を読むと、テンションが上がっ
て勢いよく線を引きたくなる気持ちもよくわかる。しかし、これは単なる「自己
陶酔」にすぎない。特に名言集が好きな人には、この傾向がある。
自分が「正しい」ことを確認したところで、パワーアップの糧にはならない。

■P.38より
逆に、読んだときには多少の嫌悪感があっても、どういうわけだか、”気になる”
1行に出会うことがある。こんな1行には、思い切って線を引いてみたい。

■P.88より
(ジョンソン・アンド・ジョンソンの「我が信条」と「損益計算書」の関係)
売上高(お客様)/売上原価(取引先)/販管費(従業員)/営業外損益(銀行)/
税金(国)/当期純利益(株主)

■P.177より
天才たちのさまざまなエピソードを通じて学べる唯一の結論は、
それをやっている時間が長い
ということだ。

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4)今日の気づき
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本書を読んで、気づきをたくさんもらいました。個人的に思ったのは、「好きこ
そ物の上手なれ」と言いましょうか。この土井さんは、好きなことをやって仕事
として収入も得ているわけで、とても理想的な生き方をされています。
いみじくも、P.177から引用した「天才たちは、それをやっている時間が長い」
とも関連することだと思いました。

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5)本書の目次
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序文 人生は「1本の線」から動きだす
◎たった1本。それで十分
◎小説は「消費」、ビジネス書は「投資」
◎「評価とは理解である」 ほか

第1章 こんな読書をしてはいけない
◎「おもしろいかどうか」はどうでもいい
◎「書評」なんていらない
◎「全部読まないといけない」という病
◎信念を確認するための「自己陶酔線」は無意味
◎著者の「ウソ」と「いい話」に線引くお人好し
◎読むべき本を立ち読みで見抜く11の戦略 ほか

第2章 「速く」読むな。「遅く」読め
◎速読なんていらない。知らないことは遅くて当たり前
◎できない人は「今年○冊読む」と目標を掲げる
◎その読書は「息抜き」か「努力」か
◎賢者は努力する人を決してバカにしない ほか

第3章 「全体」を見るな。「部分」を見よ
◎ジョコビッチがボリス・ベッカーをコーチにした理由
◎得手を磨き、不得手をなくす読書戦略
◎一流になるための8つの「部分練習」とは?
1.会計・ファイナンス
2.戦略
3.マーケティング
4.オペレーション
5.マネジメントとリーダーシップ
6.商品開発
7.統計
8.経済 ほか

第4章 「結果」を見るな。「原因」を見よ
◎原因とは「ボウリングのセンターピン」である
◎ユニ・チャームは国境を越えていく
◎成城石井はCランクがお好き! ?
◎KADOKAWAがはまる「ABCの罠」
◎USJのセンターピンとは何か? ほか

第5章 「同じ」をつくるな。「ちがい」をつくれ
◎代官山蔦屋書店が「駐車場」の幅を広くした理由
◎「ちがい」は「組み合わせ」でつくられる
◎最強の営業マンは「節税」を語る
◎そのビジネスの「上流」は何か?
◎「とんかつよりソースが大事」は本当か ほか

第6章 「中身」を読むな。「背景」を読め
◎流行りのベストセラーから何を学ぶか
◎『学問のすゝめ』は慶應義塾のパンフレット! ?
◎「俺のイタリアン」から学ぶこと
◎背景を知りたければ「現場」に出よ ほか

第7章 さあ、「教養」に挑め!
◎「恐怖」に「知的好奇心」が勝つかどうか
◎「金」は奪えるが、「知恵」は奪えない
◎『非才! 』になりたければ、かける時間を増やせ
◎「分厚い本」に挑むコツ
◎引けば引くほど、もっといい線が引ける ほか

終章 ブルー
巻末付録 私の引いた44本の線
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一流の人は、本のどこに線を引いているのか
サンマーク出版(2016/10/17)240ページ
土井英司 (著)