こんにちは。
「本シェルジュ」の廣瀬達也です。

何かと「暑い」そして「熱い」夏ですね。
私は東京に住んでおらず、さらにはテレビチューナーもない生活していることもあり、なんとなく東京オリンピックを遠くに感じつつ、ネットなどからこぼれてくるニュースや新聞で見かける記事に「ほー」、「へー」な日々です。

今回紹介するのは「お金について」の本です。
私は会社員で中小企業診断士ではありますが、ライターさんの世界にも興味があり「ブックライター塾」なる塾に通っていたことがあります。このブックライター塾、編集・ライターなど「その筋」の人たち以外に私のような「外様」が時折塾生として混ざってきます。私は一般的には「固め」と言われる会社に勤めていますので塾生の中でも比較的「固め派」の部類にいたつもりでしたが、先輩の中にはもっとガッツリ「固め派」の方がいらっしゃいました。公務員、具体的には元東京国税局の国税専門官の方です。今回ご紹介する本の著者はその先輩です。今は東京国税局を辞職されバリバリのフリーランス・ライターになられています。そして、独立に向けての意思決定には本業にて蓄えた「お金の知識」が活かされたようです。気になりますね、独立の意思決定に影響与えた「お金の知識」。
内容は「基礎的なことから知りたい!」というスタンスの編集者の方との対話形式で書かれており、とても分かりやすいです。

1)本日紹介する書籍  

           
「すみません、金利ってなんですか?」
サンマーク出版 (2020/3/17)  335ページ
小林義崇(こばやし・よしたか)
AmazonURL:https://www.amazon.co.jp/dp/4763137034


2)本書を選んだ理由 どんな人が読むべき?               

●「ぶっちゃけ、お金についてのあれこれについての知識が曖昧で誰かに教えて欲しい」と思っている人
● 副収入を小さく得ているが、そろそろきちんと確定申告をしたほうがよさそうな状況になっている会社員な人
● 税金とか金利について家族から説明を求められ、あいまいな説明しかできなかった人
● 「自分は会社員だからあまり関係ない」と確定申告などについて気にしていない人
● 身の回りの「お金のこと」について分かっているつもりだけど、自分の理解をちょっとチェックしたい人。
● 自分を守るためにも「まずお金のことを知っておきたい」と思う人


3)付箋 ~本書からの内容抽出です   

この本は、そんなお金知識ゼロの僕が、かつて国税局に勤務していた「お金のプロ」に、「金利ってなんですか?」「投資や株は聞いたことあります。でも、それが何かは分かりません…」といったことを尋ねた、史上もっともハードルが低いお金の話しが書かれた本です。



会社員の場合、収入を基準に「給与所得控除」というものが自動的に算定され差し引かれるんです。だから、私たちフリーランスのように、わざわざ経費のレシートを集めて集計しなくてもいい。



「会社員として働くために、衣服や筆記用具、交通費などで大体これくらいのお金がかかっているだろう」という額を一律に定めて、それを「必要経費として前もって認めておく」という仕組みになっているんです。


要は「源泉徴収で色々引かれたけど、本当に払うべきものより多く払っているケースがほとんど。なので、計算し直して過払い分が戻ってくる」これが、年末調整です。



医療費控除の対象になるかどうかは国税庁のホームページで確認していただきたいのですが、基本ルールは「治療を目的とした医療費」なら○、「予防を目的とした医療費」なら×です。



会社員であっても確定申告の仕組みや、自分が源泉徴収や年末調整で何をしているかといったあたりはわかっておいたほうがいいんです。終身雇用という制度が絶対でないこの時代、いつ独立することになるかわかりませんし、お勤めの人であっても、副業が盛んな今、その知識が自分の身を守ってくれることにもなります。知識があって損することはありません。


(税金について)じゃあこれはどうですか?「みんなが使うところを維持する」という機能です。「税金という仕組みがない社会」を想像してみてください。基本的にあらゆるサービスが民間企業の運営となるため、利用者はその都度料金を支払わねばなりません。



時間外に引き落としたとしたら、手数料がけっこうかさみますね。3千円を引き出すと100円前後の手数料が出ていきますから…。1年間の100万円普通預金の金利約10円なんて、一瞬で吹っ飛ぶことになりますね。



基本的に、「世の中は『儲けようとする人たち』が、巧みに情報発信している」と警戒しておくくらいでちょうどよいのです。


4)今日の気づき                       

この本のあとがきで小林さんが書かれている


私が国税局職員を辞めてフリーランスの道に飛び込めた理由。その多くはお金の知識によることが少なくありません。たとえば…
「収入は一時的に減るけれど、その分税金や社会保険料も減る」
「退職したあとの住民税が怖い。でも住宅ローン控除がまだ残っているから大丈夫」
「NISA口座で積み立てていた投資信託が値下がりしているので、いざというとき使える」
こうしたちょっとした知識がなければ、私は必要以上に不安を感じ、フリーランスの世界に飛び込むことはできなかったかもしれません。お金の知識は、必ずその人を守ってくれます。逆に言うと「お金についての知識がなかった」だけで身を滅ぼしてしまう人もいます。私は今まで、両方のケースをつぶさに見てきました。


という「お金についての知識」にまつわるコメントは実体験を伴っていてとても説得力があります。
まずは、「自分の身の回りのお金にまつわること」を地道に理解していきたい。改めてそんなことを感じました。(具体的には会社員として「年末のやっつけ書類作業」と化している「年末調整」について内容をしっかり意識する。社内でやっている確定拠出型年金の運用状況をチェックする等からでしょうか…)


5)本書の目次                        

はじめに  
序章 すみません、「金利」ってなんですか? 
1章  「源泉徴収」って何が徴収されているんですか?
2章  別にやろうとは思っていないのですが(株や投資についての話)
3章  何をどれくらい納めないといけないんですか?(税金についての話)
4章  銀行に行っても「下ろす」しかできません
5章  「リボ払い」はリボルバー払い?
6章  将来への備え、複雑すぎじゃないですか?(保険に関する話)
7章  将来もらえないって、本当ですか?(年金についての話)
補論  仮想通貨、ブロックチェーン… 将来のお金の話
おわりに



「すみません、金利ってなんですか?」
サンマーク出版 (2020/3/17)  335ページ
小林義崇(こばやし・よしたか)
AmazonURL:https://www.amazon.co.jp/dp/4763137034