こんにちは、「本シェルジュ」の冬野です。
コンサルやセミナーでビジネスや収益のお話をするときに、ラーメン屋さんのたとえをすることはよくあります。
今日ご紹介するのは、そんなラーメン屋さんあるあるから財務に関する経営管理の基本がコンパクトに学べる一冊です。
会計士の筆者がラーメン店を経営した実感に基づいた話なので、理論と現実を踏まえ、ラーメン屋さんの隠れた苦労やお店の戦略が解ります。
二郎系ラーメンとまち中華では、ビジネスモデルが違う?
ラーメン屋さんに行くのが楽しくなります。ラーメンをすすりながらご自分の事業を考えてみると、新しい気づきがあるかもしれませんよ。

本日紹介する書籍

会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる
日本実業出版社(2022年6月1日)
石動 龍
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本書を選んだ理由 どんなひとが読むべき?

創業準備をしている方
創業したいが何から考えて良いか悩んでいる方
事業を頑張っているが思うような成果が出ていないと思っている方

付箋 ~本書からの内容抽出です

はじめに
飲食店を含む中小企業の社長は、リスクを取りながら、人生をかけて経営に取り組んでいる人がたくさんいます。そんな人に対し、自分が安全な位置にいながらアドバイスすることに、少し抵抗がありました。同じ立場になれば、見える景色も変わってくると思いました。

1章 ラーメン屋経営から「会計」の大切さを学ぼう
「儲ける」には「売上」と「経費」とリスクのバランスが大事
ライターには店舗は必要ありませんし、作業は自宅でできます。大多数のライターにはアシスタントもいません。よって、経費はほとんどかかりません。ざっくり言うと「利益=売上―経費」になるので、この式で考えるとライターが儲かりやすく、ラーメン屋が儲かりにくそうに見えますね。
でも実際は「ライターがラーメン屋や洋服屋より儲かりやすい!」という結論にはなりません。P24
ラーメン屋を安定的に経営するには、原価率を30%程度に抑えることが望ましいです。p61

2章 1杯のラーメンからどう利益が生まれるか?
二郎系ラーメン屋の利益のからくり
二郎系のラーメンは原価率が高くなりがちで、40%前後になることも多いと言われています。(中略)そして、二郎系の大きな特徴は、店内ルールによる高回転の維持です。オーダーの際に「ヤサイマシニンニクアブラカラメ」など呪文を唱えるようにトッピングを伝えることが求められ、何も知らない新規の人は混乱します。(中略)このように、二郎系は新規顧客のハードルが高く、リピーターが来客の大半を占めています。これは大変よくできたビジネスモデルで、回転率を高く保てるために、原価率が高くても利益が残る仕組みになっています。p87

3章 ラーメン屋にとって有効なお金の使い方
固定費は時間を使うことで節約できる
小規模事業のオーナーであれば、自分の時間を使うことが一番の節約になります。(中略)とはいえ、体を壊してしまえば事業も続けられず、元も子もりません。メリットデメリットを勘案しながら、かける費用、カットするサービスを見当することが大切です。p156
生き残るには最初のピーク後が重要
飲食店の来客が減る大きな理由の一つは、存在を忘れられることです。ラーメン屋でいえば、好きな3店ほどをローテーションする人が多いでしょう。ローテーションには入れなかった「2軍の店」は忘れられ、行くこともなくなります。多くの人の記憶に残るかどうかが、集客できるかの基準です。p180

4章 ラーメン屋経営から学ぶ「上手なお金の残し方」
利益の金額だけお金が増えるわけではない
ただし、利益の額だけお金が増えることは、普通はありません。銀行への返済は経費にならないので、返済した分だけ利益からお金が減ります。p219

4)今日の気づき

経営を続けるためには事実の把握が大切である
事実の把握には、金額・お金の把握が有効である
お金の実態を評価するには、事業の構造、経理や税務の仕組みを知っておくと有効である

5)本書の目次

第1章 ラーメン屋経営から「会計」の大切さを学ぼう
第2章 1杯のラーメンから同利益が生まれるか?
第3章 ラーメン屋にとって有効な「お金の使い方」
第4章 ラーメン屋経営から学ぶ「上手なお金の残し方」

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