皆さま、こんにちは。本シェルジュの赤塚です。
関東地方もすっかり梅雨入りしました。
肌寒い日もありますが、皆様お変わりありませんか?
私は風邪をひいてしまい、なかなか咳がおさまりません。
お医者さんいわく、喉からくる風邪が流行っているとのことでしたので
皆様もご注意くださいませ。
さて、今月の本シェルジュは「プロ」をテーマにお届けしております。
今回ご紹介するのは、交渉術の本。
取引先との価格交渉、上司や他部署との業務に関する交渉、
家庭内でのおこづかい交渉など、誰かと交渉する場面はたくさんあります。
しかし、「どのように交渉したらいいか?」その方法を
体系だてて学ぶ機会というのは、人生を通してもそうはありません。
本書は、そんな交渉術について、M&Aの仲介・アドバイザーで
まさに「交渉のプロ」である著者が、そのノウハウを体系化した本。
「誰もが交渉の心構えや秘訣を身につけられるように」というコンセプトのもと、
これまでに経験した交渉を、行動経済学、社会心理学の理論的裏付けをとりながら
分析されており、ポイントがわかりやすく実践的な内容です。
ぜひお手に取ってみてください。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中
藤井 一郎 (著)
東洋経済新報社 (2011/9/29) 208ページ
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今回の登場人物紹介
◆赤塚:本シェルジュ
◆N子:赤塚が勤める会社の同期
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赤塚:どうしたの?浮かない顔して。
N子:うーん。この前A社にシステム構築の見積を出したんだけど、
   値ごろ感が合わなくて。
赤塚:まぁ・・・よくある話だね(汗)
N子:打ち合わせで交渉されたんだけど、うまく応対できなくてさ。
   交渉ってどうも苦手だなぁ。
   ものすごく理論武装しなきゃいけなさそうだし、
   押しが強くなきゃダメそうだし。
赤塚:確かに交渉って難しいよね。私も苦手だった。
   だけど、この本読んで交渉ごとも前向きに考えるようになったよ。
N子:どれどれ?「交渉は結果も大事だが、それ以上にプロセスが大事、
   プロセスを楽しめることが成功への道・・・」なるほど。
   なんかなじみやすいアプローチだね。よし、これを機に交渉術を身につけよう!
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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■P.21より
交渉はサイエンスでありアートでもあります。こうすればこうなるという理論が
ある一方で、相手の感情を察し、自分の感情をコントロールするというように、
人間の機微を理解したうえでの働きかけが必要になります。
■P.37より
私は「交渉は対等でなくても相手を尊重すべき」と考えています。
お互い主張すべきところは主張しつつも、相手の立場・利害に理解を示し、
交渉の成立・不成立にかかわらず、誠実に相手に対応することによって、
交渉過程で信頼感を生み出す「よい交渉」をすべきと思います。
■P.59より
交渉相手が心底あなたを信頼するようになると、多少条件を譲歩してでも
あなたと合意したいという気持ちになります。
つまり、信頼されれば交渉力が強くなります。
■P.70より
パッケージで交渉するときに大事なのは、自分および交渉相手が
何を優先(重要)項目として交渉しようとしているかを理解することです。
なぜなら、それぞれが、各争点に対して異なる重みづけをしていれば、
それぞれが自ら重視している項目については強く主張して相手に妥協を迫り、
自らが重視していない項目については反対に譲歩することによって、
全体として合意に至りやすくなるためです。
■P.195より
よい交渉を実現するために、どのような理念で臨めばよいかということになると、
私は自他共栄の精神と考えています。
(中略)自他共栄の交渉とは自分と相手にメリットがあり、さらに社会の発展に寄与し、
社会に対して価値をもたらす交渉ということができます。
■P.197より
信頼や社会貢献を重視しているという評判が立ち、世間や属するコミュニティー
(業界など)から信用を得られれば、あなたと取引する際の取引費用が軽減されます。
つまり、たとえば、あなたがある商品の売り手の社長であるとした場合、
買い手があなたに対して信頼感があれば、多額の費用をかけて、徹底的に商品を検証したり、
またあらゆるリスクを想定した契約を結んだりする必要性を感じなくなります。
その結果、より多くの書いてが現れ、よい条件で販売できる可能性が高くなり、
また買い手にとっても取引費用が下がるのでメリットがあります。
■P.199より
自分がコントロールできるのはプロセスです。ここで言うプロセスとは、
自分が何を考え、何を話し、どのように行動するかということです。
交渉中は、交渉相手のことは敵対者ではなく、仲間、教師あるいは自分を向上させて
くれるものと考えるようにします。
そして、心技体の限りを尽くして事に当たれば、たとえそのときはよい結果が
でなかったとしても、その過程で学べることも多くつぎにつながります。
私は、結果に一喜一憂せず、目標達成を目指すプロセスそれ自体を楽しみ充実感を得ることが、
幸せな交渉者になるため、また幸せな人生を送るために最も大切なことだと思います。
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〓 3)今日の気づき                       〓
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交渉術といっても、特別難しいスキルが必要なわけではない。
根底にあるのは、相手の立場を考慮しながら、信頼関係を重視するという
シンプルなものである。
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〓 4)本書の目次                        〓
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はじめに
第1章 「交渉」を知らなければビジネス界では生きていけない
第2章 信頼ベースの交渉術
第3章 満足する交渉術
第4章 ワンランク上の心理交渉術
第5章 相手には知られたくない価格交渉術
第6章 これだけは押さえておきたい立場別交渉術
第7章 自分の感情をコントロールする方法
おわりに(交渉術から交渉道へ)
プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中
藤井 一郎 (著)
東洋経済新報社 (2011/9/29) 208ページ
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