こんにちは、本シェルジュのホリケンです。 インクルーシブな人生100年を生き抜くのに役立つ本をご紹介していきます。

突然ですがみなさんに質問です。 みなさんは、外向的ですか?内向的ですか?

一概には言い切れなくてもどちらかの傾向が強いぐらいは自覚をしておられるでしょう。ちなみに私はかなり内向的です。

そして、一般的に外向的な人の方が周りから評価を集めやすく、高い成果を出していると思われがちです。しかし本当にそうでしょうか?内向的な人は成果を出しづらいのでしょうか?

本書では、内向的な人が高い成果を出している事例、そして高い成果を目に見えるものにしてスポットライトを当てる戦略が描かれています。

本日紹介する書籍

ダイヤモンド社 (2022/6/28)303ページ

「静かな人」の戦略書 -騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法

ダイヤモンド社 (2022/6/28)303ページ

ジル・チャン(著)

「静かな人」の戦略書: 騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法

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本書を選んだ理由〜どんな人が読むべき?〜

みなさんは外資系企業って聞くとどういうイメージを持ちますか?

結果が全ての世界? 結果を出せなかったら明日から来なくていいと言われる? みんなオープンマインドで社交的でノリがいい?

一部は当たっているけれども一部は間違いです。

私の働いている外資系企業もかつては超外向的なゴリゴリ営業をしまくる集団だったそうですが、ここ5年ほどで大きく雰囲気が変わってきているとのこと。

Diversity Equity & Inclusionの活動が活発になったこともあり、多様な価値観を持った多様な人材がお互いを認め合って成果を出すコミュニティになってきています。

そのような環境だからこそ、私のような超内向的な人物でも心理的安全性を保って仕事ができているのだと思います。

内向的な人は内に篭りがちで、自分を卑下してしまうこともあります。でもこれって日本人だけじゃないんです。外国人も同じように内向的な人もいて、同じように悩んでたりするんです。

そんな、内向的だけどなんとか今の自分らしくありながら結果を出したいと思っている方にぜひ読んでいただきたい一冊です。

付箋 本書からの内容抽出です

内向型な人は、アイデアや野心を持っていないわけではなく、夢を追うのにいちいち騒がないだけだ(P.7)

内向型な人は、アイデアや野心を持っていないわけではなく、夢を追うのにいちいち騒がないだけだ(P.7)

内向型であっても、外向型であっても、自分の個性を大切にして、コンフォート・ゾーンから一歩踏み出すこと。他人に貼られたレッテルのせいで、自分の可能性を狭めてはいけないこと。この本で一番伝えたいのは、そういうことだ(P.7)

どうか信じてほしい。静かで穏やかな人として、ありのままの自分になれば、あなたのキャリアはきっと変わる。私だって、そうだったのだから(P.47)

マリッサ・メイヤーは、典型的な内向型人間だ。彼女は観察者であり、リーダーであり、全力で仕事に没頭するタイプだ(P.65)

内向型がエネルギーをチャージするには、ひとりになる必要があるのだ。外向型と違って、外的刺激によって元気を取り戻すことはできない。(中略)1日の仕事をやり終えた後、内向型の彼らが望むのは、自宅でのんびりと、パジャマ姿でごろごろしたり、ネットフリックスを一気見したり、本を読んだりすることなのだ(P.68)

忘れてはならないのは、内向性は自分の特徴の一つに過ぎないということ。内向性を足かせのように感じて、自分で自分に限界を設ける必要はない。自分が何をもっと大切にしたいかを考え、目標を見つけ、訓練を積み、必要なスキルを習得すれば、自分の理想の仕事を手に入れる機会に恵まれるだろう(P.77)

内向型が新しい環境ならではの問題に直面した時、それを乗り越えて環境になじむためには、必要なことが3つある。「仲間を見つけること」「仕事の能力を示すこと」、そして「明確な成果を出すこと」だ(P.91)

内向型の長所のひとつは、相手の話にしっかりと耳を傾けることだ。傾聴は、ファイサル・アル・カリディが提唱する「弱点を武器に変えて自信をつける方法」のひとつでもある。相手の話をしっかりと聞くことに加えて、内向型ならではの感受性も相まって、的を射た、思慮深い受け答えができるから、話をしている人は感銘を受けるのだ。そのようにして、意義深く、相手の心に響く会話が生まれていく(P.94)

オフィスでもめごとを解決する場合は、最終的な責任がどちらにあるのかをはっきりさせよう、という話になりがちだ。だがサンは、そのような対立姿勢を捨て、両者ともに相手側の意見や考え方を理解するよう努めるべきだ、と強調している。これは内向型の人たちにとっては、とりわけ重要だ。怒ったり、怒鳴り合ったりするのが嫌で、自分の考えや感情を表に出さずに黙ってやり過ごしていると、長期的には対人関係にマイナスになるだけでなく、気をつけないと心や身体の病気につながってしまう恐れがある(P.132)

アーロンズ・メーレーは、内向型はどの会社にとっても、秘密兵器になると考えている。相手の話をしっかりと聞くからだ。内向型は顧客の真のニーズに注意を払う。これは顧客とだらだら長話をするよりも、遥かに効果的なことが多い(P.152)

アメリカでは、目標をきちんと達成できるのであれば、ほぼどんな仕事のやり方も尊重される。多くのオフィスでは、急な問題が発生して担当者の手におえない場合は、プロジェクトに関わる全員が集まってプランBを検討する。担当者は必死に言い訳を考えたりせず、正直に、率直に話せばいい。もし会社の懇親会やイベントの予定があっても、参加したくなければ、やはり率直にそう言えばいい。誰もそんなことで、あなたにつらく当たったりはしない(P.165)

内向型は簡単には挫けない。それどころか、自分の目標に向かって粘り強く取り組むことができる。心理学者のアンジェラ・ダックワースは、この特性を「やり抜く力(グリット)」と呼び、才能や知能指数や家庭の経済力などよりも、やり抜く力の方が、将来の成功の予測因子として優れていると考えている(P.171)

いまのところ、私の人柄を伝えるうえで最も効果的な方法の一つは、フェイスブックやリンクトイン、インスタグラム、ツイッターなどのSNSを利用することだ。職場でもプライバシーを重視したい内向型としては、さまざまなソーシャルメディアを使い分けるのもいいだろう(中略)ネット上の友人に実際に会ってみると、まるで窮地の中のような感じがするものだ。挨拶がわりの世間話などを省略して、すぐ本題に入れるのだから、まさに完璧!内向型にとっては、試してみる価値のある戦略だろう(P.227)

経営管理や企業の持続性・成長に関するコンサルタント兼講師であるあるジム・コリンズは、飛躍を遂げた数多くの企業や事業を調査した。その結果、そうした企業において、魅力的でカリスマ性のあるリーダーだと思われている CEOは、ひとりもいなかった。彼らが成功したのは、きわめて謙虚でありながら、徹底的なプロ意識の持ち主だからだった。コリンズは『ビジョナリーカンパニー 2』において、そのような人びとを「第五水準の指導者」と呼んでいる(P.276)

「自分自身を理解すること。だが、それに縛られないこと。自分をよく知ることによって、自分の限界を意識的に超えられるようになる。内向型、外向型というレッテルで自分の可能性を狭める必要はない」(P.289)

今日の気づき

内向的な傾向がある人にも、目立たないけど仕事が丁寧とか、細かいところまで気を配れるとか、良い面がたくさんあります。しかし、ビジネスの世界においてはそれらが目立ちにくいがゆえに評価されづらいという事実もありました。

それでも、準備を丁寧にしたり、場数を踏んだり、SNSを利用したりすることによって、気疲れを起こさずに成果を目に見える形にしてアピールできるようになる、ということを体系的にまとめてくれています。

本書の目次

■PART1:静かな人の「仕事」の戦略──冷静沈着に「戦略的思考」を生かす

CHAPTER 1:「はったり」はいらない

CHAPTER 2:戦略的に「得意なこと」で勝負する

CHAPTER 3:「核心」の能力を集中的に磨き上げる

CHAPTER 4:独特の「脳の特徴」を武器にする

CHAPTER 5:自分を「現実的」に見つめ、受け入れる

CHAPTER 6:ストレスフリーで「新しい環境」になじむ

■PART 2:静かな人の「人間関係」術──「深く聞く力」で人を魅了する

CHAPTER 7:仕事の戦場で「味方」を増やす

CHAPTER 8:落ち着いて「もめごと」をさばく

CHAPTER 9:「他人の感情」にいちいち振り回されない

CHAPTER 10:「電話」は難敵にも強い味方にもなる

CHAPTER 11:「交渉」を成功させるカギは聞く力

CHAPTER 12:「出張」で力の浪費を最小限に抑える

CHAPTER 13:外向型文化の中で「バックハンド」で戦う

■PART 3 冷静な力を「人前」で生かす──完璧な準備で「質の高い」仕事をする

CHAPTER 14:長所を生かせば「イベント」は楽勝である

CHAPTER 15:そもそも、本当に行く必要があるのか?

CHAPTER 16:勝敗は「始まる前」に決している

CHAPTER 17:社交は「戦略」がすべて

CHAPTER 18:人前で話す極意

CHAPTER 19:会議で「隠れる」ことはできない

CHAPTER 20:静かな人は「SNS」を使い倒すべし

■PART 4:静かな人の「潜在能力」──しなやかな「リーダーシップ」を発揮する

CHAPTER 21:「謙虚さ」こそが成功をもたらす

CHAPTER 22:タイプを混ぜれば「最強チーム」ができる

CHAPTER 23:あえて「正反対」の相手とタッグを組む

CHAPTER 24:上司を「管理」して、正当な評価を得る

CHAPTER 25:リーダーに「カリスマ」はいらない

CHAPTER 26:「静かな羊」がライオンを導く

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「静かな人」の戦略書 -騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法

ダイヤモンド社 (2022/6/28)303ページ

ジル・チャン(著)