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ビジネス書書評の本シェルジュ

ロボットは東大に入れるか

ロボットは東大に入れるか

こんにちは、本シェルジュの松林です。
今週は台風が日本列島に接近するようなので、大きな被害が出ないようお祈りします。

さて今回は、国立情報学研究所教授で、「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクターである、新井紀子さんの著書をご紹介します。

1997年、当時チェスの世界チャンピオンであったカスパロフ氏を、IBMのコンピュータが破りました。今では将棋でも、コンピュータがプロ棋士を負かすようになっています。
私たちの実生活にも、アマゾンやグーグルなどITを駆使する大企業が立ち入り、便利さと引き替えにプライバシーを掌握される危惧もあります。

本書は、単に読み物としておもしろいだけではなく、かつてと比べものにならないほど激しい変化の中で、人としてどんな力を伸ばしていけばよいのか、また人の親として子どものどんな力を伸ばす支援をすればよいのかを考える際のヒントがあります。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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ロボットは東大に入れるか
新井紀子(著)
イースト・プレス (2014/8) 264ページ

ロボットは東大に入れるか(Amazon.co.jp)

今回の登場人物紹介
■パパ:娘の難しい質問が増えてiPhoneのSiriが手放せない父親。
■りか:生物はどうやってできたの?など難しい質問が増えた11歳。
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パパ:(パソコンでアマゾンのサイトを見ている)
りか:あ、「おすすめ商品」に、前に買ってもらったシールメーカーの交換カートリッジが出てる。
パパ:なるほど、そろそろ無くなる頃でしょ。1つ買っておこうか。
りか:アマゾンって、中身はコンピュータなんでしょ。パパが買いそうなものをどうやっておすすめしてるの?
パパ:前に買ったものや、おすすめしたけどスルーしたものなどを全部データとして記録して、学習してるんだ。
りか:へぇ、すごいな。そのうち、店員さんや営業の人はいなくてもよくなっちゃうの?
パパ:オックスフォード大学の研究報告に「2030年にはアメリカにおける仕事の半分が機械に奪われる」っていうのがあるよ。人が相手の仕事でも、当たり前のことを繰り返すようなものはコンピュータが取って代わるだろうね。
りか:じゃあ、人しかできない仕事として残るのは、どんな仕事なの?
パパ:それは、コンピュータが得意なことと不得意なことを知ると、見えてくるんじゃない?この本を一緒に読んで考えてみようよ。

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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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■P57より
どんなコンピュータも、自然数として入力を扱い、また例の3つのこと、つまり①有限の知識、②特定の条件の下における特定の手続き、③同様に繰り返す、ということ以外は何1つできないということなんです。犬と猫の判断も、チェスを上手に指すことも、東大に入ろうとすることも、全部この3つでやらないといけない。

■P67より
将棋の探索空間は、おおよそ10の220乗と言われます。取った駒をもう1回置く、ということによって、これくらい探索が爆発する。(中略)つまり、論理と暗記だけでは解決できそうもない。(中略)
ところで、まだここまでの話で出してきていない数学の言葉が残っています。何だかわかりますか?
それは、確率と統計なんです。(中略)正直に言うと、そこには図形や方程式の問題で導かれたような論理性はないんです。ですから、正しさを保証することはできません。にもかかわらず、結構当たる。これが統計で問題を解くときのポイントです。

■P100より
「人工知能」は、いままでの技術や技術の開発とは、まったく違うストーリーで進んでいるんです。それは、私たち人間の「仕事」そのものの根底を揺るがすことに深く関係しているのです。(中略)
「東大に入る」、を目標に立てた理由は、つまり10年後とか20年後に、いったいどの仕事が人間に残るのか、ということをどうしても知りたかったからです。そのことを人工知能の研究をしている人たちだけでなく、それ以外のみなさんと一緒に目撃して、共有して、一緒に考えたかったんです。

■P237より
当たり前のルーティンのことしかできない人、教育がそういう人を大量につくっていくのであれば、大量の失業者が出るということになりますよね。でも、柔軟性のある人が大量に育っていて、そこに人工知能が入るのであれば、ことはちがいますよね。人工知能は入ったけれど、そもそも意味がわかっていないから、ダメな部分も多い。そこを人間がサポートする、というかたちで雇用を創出するというようなことがあれば、人間の労働力の需要は出てくるわけです。

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〓 3)今日の気づき                       〓
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著者は、知らず知らずのうちに人工知能に関する技術が生活の中に深く入り込んでいるのに、その技術で何ができるのか、どこに向かっているのかわかっていないという現状に危機感を持ち、「ロボットは東大に入れるか」という興味深い題材によって社会に問題提起をしています。

時を止めることはできません。コンピュータを壊したり、研究を禁止したりといった後ろ向きな対応ではなく、人工知能のことを正しく知り、そのうえで発想の柔軟性を鍛えていこうと思いました。

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〓 4)本書の目次                        〓
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まえがき
第1章 <東ロボくん>とコンピュータの現在
第2章 「東大」への大いなる一歩
東ロボくん、「全国センター模試」&「東大入試プレ」模試に挑戦!
第3章 <東ロボくん>の将来/私たちの未来

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ロボットは東大に入れるか
新井紀子(著)
イースト・プレス (2014/8) 264ページ

ロボットは東大に入れるか(Amazon.co.jp)

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献本について

記事

  1. ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
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