こんにちは。

本シェルジュの安藤準です。

突然ですが・・・

「あなたの入手したその情報、信じられますか?」

私は最近とても危機感を持つことがあります。

それは、「世の中の情報がかなり歪んでいる」ということです。どこかのコピーや転用ばかりのネット情報はもちろんですし、テレビや新聞に至るまで、発信者の意図が入りすぎている。受け取る側でメディアの情報に客観性を持とうと努力しても、いつのまにか「搖動されている」事もあります。

私がこの危機感を強めたのは、トランプ氏が大統領が当選した時でした。「トランプ当選!」とニュースを見たときに私は何とも言えない「騙された感覚」を覚えたのです。それまでの世論や日本のメディアではクリントン氏優勢を発信し、様々な問題発言からトランプ氏が大統領になることはないだろうと言われていました。
私自身も二人の討論などを見てそう思って信じていたのです。しかし、いざ開票してみてビックリ。なんとトランプ氏が当選。
さらに、当選後も問題です。ほとんどのメディアがトランプ批判を繰り返しています。冷静に考えれば、アメリカ人の半数以上が投票したなら、賛成・反対の情報が半分ずつでなければおかしいはずです。(もっとも、これにはメディアを扱う知的上流階級にトランプ大統領への反対が多いことが背景があるそうですが)

そんな世の中に流れる情報に対して課題意識を持っているときに、この本に出合ったのです。
結論として、私にとっては目からウロコの連続でした。今まで日経新聞とビジネス雑誌をいくつか読む程度だったのですが、新聞や雑誌の購読を増やし客観的・比較的に読むようになりました。すると、少しずつですが以前より世の中が見えてきたのです。

例えば、トランプ氏に関して言えばちょうど就任100日が経過して様々な評価がされていますが、アメリカでは日本ほど批判的でないことが分かります。これからの情報化社会において、「情報を選定する能力」は極めて重要です。「知の巨人」と言われるほど知識人として大成している池上彰氏と佐藤優氏の情報やメディアの読み方がギッシリ詰まっています。

初夏の清々しいゴールデンウィーク、一読されてはいかがでしょうか?

1)本日紹介する書籍

「僕らが毎日やっている最強の読み方
―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意」
東洋経済新報社 (2016/12/16) 329ページ
池上彰、佐藤優 (著)
AmazonURL:http://www.amazon.co.jp/dp/4492045910/

2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?

すべてのビジネスパーソンが対象になります。特にビジネス情報や海外情報に関心の高い人におすすめです。

また、人として教養や知見を深めたい人にも、この2人のメディアの読み方は大変参考になるでしょう。なお、kindle版と書籍の両方がありますが、書籍の方が読みやすいと思います。

3)付箋 ~本書からの内容抽出です

■P03より

「知の巨人」という言葉があります。この称号にふさわしい現代人といえば、佐藤優氏ではないでしょうか。国際情勢から宗教、哲学、果てには最新のベストセラー小説まで。氏の知識と見識はとどまることをしりません。
~(略)
― 池上彰

■P28より

佐藤:言うまでもありませんが、「何を読むか」「どう読むか」だけでなく「何を読まないか」も重要な技法のひとつです。

■P.42より

佐藤:新聞の読み方について、重要な大前提をひとつ。「新聞は少なくとも2紙以上読まなければ危険だ」というのが池上さんと私の、現在の共通意見です。
(略)
池上:いまはニュースの取り上げ方そのものが新聞ごとに違っていて、そこに意図が感じられるようにもなっています。。

■P.117より

佐藤:ビジネス誌の特集記事のいいところは、書籍よりも情報が早いことですね。(略)ただ、「本格的に知識を身につけたい」と思ったらやはり書籍に進むべきです。。

■P.151より

池上:ネットはうまく使えば便利で有益なツールになる反面、時間を浪費したりノイズ情報に惑わされる危険性もある「諸刃の剣」ということですね。
佐藤:多くの人が誤解していますが、じつはネットは「上級者」のメディアなんです。
(略)
ネットを「効率の悪いメディア」にしているもうひとつの要因は、そもそもネットで入手できる情報の多くが二次情報、三次情報だからです。

■P233より

佐藤:熟読に値する本かどうかを見極めるコツは、最初に本の「真ん中」部分を開いて、そこを読んでみることです。

4)今日の気づき

私はこの本を読んでから、情報の捉え方がだいぶ変わりました。
インターネット情報は以前より量を減らし気を付けて見るようにしています。
また、日経新聞に加えウォールストリートジャーナル(電子日本語版)を見ると、アメリカ目線で世の中が語られる点が新鮮です。
例えば、東芝の株に関して「今が買いだ!」と日本とは逆の事が書かれていたりします。
また、当然のことながら中国のニュースが多いことも気づかされます。さらに、私は雑誌読み放題サービスとしてKindl Unlimitedに加え佐藤氏を真似て、「dマガジン」を契約しました。読み放題だと「買うほどではないが気になった雑誌」まで目を通すことになります。
自分の知識の幅が広がりました。

5)本書の目次

序章  僕らが毎日やっている「読み方」を公開
第1章 僕らの新聞の読み方
第2章 僕らの雑誌の読み方
第3章 僕らのネットの使い方
第4章 僕らの書籍の読み方
第5章 僕らの教科書・学習参考書の使い方

「僕らが毎日やっている最強の読み方
―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意」
東洋経済新報社 (2016/12/16) 329ページ
池上彰、佐藤優 (著)
AmazonURL:http://www.amazon.co.jp/dp/4492045910/