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ビジネス書書評の本シェルジュ

ティール(Teal)組織

こんにちは、本シェルジュの堀江賢一です。

このメルマガを読んでくださっているみなさんが働いている企業や団体はどんな組織ですか?

組織のトップが強権的に命令を下し、その命令に粛々と従う組織でしょうか?
それとも、階層的に別れた組織構造それぞれが独自に権限を持ち、機械のように為すべきことを処理していく組織でしょうか?
それとも、あらゆる権限が現場のメンバーにあたえられ、意思決定は現場で行われ、チャレンジが推奨される組織でしょうか?

会社だけでなく人が集まれば組織が形成され、その組織の数だけ異なったルールや風土、文化が形作られます。さまざまな組織の形がある中、21世紀の現代に目覚しい成長を遂げている組織には上記した特徴とは全く違うある特徴があることがわかってきました。

それが本書で述べられるTeal(ティール)組織です。

著者であるフレデリック・ラルーは、マッキンゼーで10年以上にわたり組織変革に携わったのちに独立。2年半にわたって新しい組織モデルについて調査・研究を行い、本書を執筆しました。

日本で働く私たちの身近にもティールの考え方を実践している企業は存在します。560ページ超とかなり骨太な本ですが、本書を読んでいるのといないのとでは、会社組織に対する理解が全く変わってきます。ぜひ手にとってみてください。

1)本日紹介する書籍

「ティール組織」
英治出版 (2018/1/31)567ページ
フレデリック・ラルー(著)
鈴木立哉(訳)
嘉村賢州(解説)

2)本書を選んだ理由〜どんな人が読むべき?〜

特にトップマネジメントの方に読んでいただきたい一冊です。
組織のミドルマネジメントや現場の一般社員の方にも大変参考になる書籍ですが、本書の中身を理解し、自社のパラダイムに当てはめ、自社に応用して変革を起こせるのはトップマネジメントだけだからです。

場合によっては会社全体の理念すら見直すべきと考える方が出てきてもおかしくないでしょう。

3)付箋 本書からの内容抽出です

■人類の意識が新しい段階に入ると、人々の協力体制にも大変革が起こり、新たな組織モデルが生まれていたのである。私たちが今日知っている組織は、私たちの現在の世界観、あるいは今の発達段階を表現したものにすぎない(P.27)

■組織の発達段階を決める要因は何か?それは、リーダーがどのパラダイムを通して世界を見ているかによる。(中略)つまり、どんな組織もリーダーの発達段階を超えて進化することはできないのだ(P.71)

■ティールパラダイムでは、内面の正しさを求める旅と、自分が何者で、人生の目的は何か、という内省に駆り立てられる。人生の究極の目的は成功したり愛されたりすることではなく、自分自身の本当の姿を表現し、本当に自分らしい自分になるまで生き、生まれながらに持っている才能や使命感を尊重し、人類やこの世界の役に立つことなのだ(P.76)

■自主経営組織で採用されている組織構造では、権限は組織の最下層、つまりチーム内に集中している。チームは(毎日、毎週、あるいは毎月)短時間のミーティングを開いて方針を確認し意思決定を行う(P.128)

■人々は事前に決められた仕事に無理に合わせる必要がなく、自分の仕事は、興味や才能、組織のニーズに基づいて自ら選んださまざまな役割と責任によって決まっていく(P.151)

■意思決定は「助言プロセス」と呼んでいる方法を実践している。それは実に簡単な仕組みだ。原則として、組織内の誰がどんな決定を下しても構わない。ただしその前に、全ての関係者とその問題の専門家に助言を求めなければならないのだ(P.165)

■自主経営に対する誤解①組織構造も経営もリーダーシップもない。
自主経営でも、従来のピラミッド型とまさに同じように一連の組織構造、意思決定プロセス、組織観光が連動している。
■自主経営対する誤解②全員が平等
ティールの視点から見ると、正しい問いは「どうすれば全員が同等の権力を握れるか」ではない。「どうすれば全員が強くなれるか」なのだ。
■自主経営に対する誤解③要するに権限委譲
ティール組織では、社員は他の同僚たちの親切心によって権限を委譲されているわけではない。コレは組織の繊維そのもの、つまり組織構造、意思決定類プロセス、経営の仕方に組み込まれているのだ。社員一人ひとりが権力を求めて争う必要はない。すでに持っているからだ。
■自主経営に対する誤解④これは、まだ実験段階の組織形態だ。
自主経営は規模の大小に関わらず、様々な業種でその価値が証明されている(P.226〜P.231)

■自主経営はRDHの傑出したケアサービスの基本だ。自分たちが面倒を見ている人々のニーズに最もあったサービスを提供するには、その場その場で判断する自由が必要だからだ。しかしそれと同じくらい重要なのは、RDHが全国のユニットで実現している安全で開放的な環境だ。人々はそういう職場で働いてこそ最も深い人間性が刺激され、他者を思いやることができる(P.252)

■ティール組織ではトップダウンの目標を設定しない。(中略)ティール組織の観点からすると、目標数値を設定することには少なくとも3つの問題がある。
①自分たちは未来を予測できるという前提に立っている
②内なる動機から遠ざかった行動をするようになる
③新しい可能性を感じ取る能力が狭まりがちになる(P.356)
予算が策定されるのは重要な判断を下すためのなんらかの予測が必要な場合に限られる(中略)大半のビジネスリーダーは予算と予測値がないと裸になったような気分になるだろう。私はカールソンに次のような質問をした「予測値がない場合、人々の達成度は何を基準にしているのですか?」彼は即座に答えた。「誰も知りませんよ。誰も気にしませんし。彼らは一生懸命全力で働いているのです。私たちは世界中で素晴らしい人々に働いてもらっているのです。もしそんな目標が必要になったら、おそらく私は間違った人を雇ったことになるでしょう(中略)予測不可能なことを予測することなどできないのです」(P.361)

■ティール組織では、変革は自然に起こるもので、しかも組織は常に変化し続けると考えられているようである。変革のために特に注意を払う必要も、努力も、管理も必要ないようだ(中略)組織が自主経営され、生きている世界では、変化を外から強制する必要がない。生命体としての組織には、環境変化を感じ取り、内側から適応する能力が備わっているからだ(中略)人々は必要だという感覚に従って自由に反応する。彼らは静的な職務記述書や上下関係や業務部門に縛り付けられていない。次々と予想もしない新しい自体が不連続で起こってくるという状況に、創造力豊かに対応できる。状況が変化するのは当然のこととして、自然に、どこでも、いつでも、ほとんど痛みも努力もなく対応する。(P.363)

4)今日の気づき

組織を1つの生命体として捉え、末端が自律的に動くことこそが良い循環と成果を生み出すという考え方は非常に素晴らしい気づきをもたらしてくれます。
と同時に、本書の中身をきちんと理解して実践につなげるには、読んで理解するだけでは足りず、有志を募って輪読や問いを立てるワークショップなどを行うなどの能動的な活動が必要であるとも感じました。
人生100年時代を生きる私たちに示された新しい組織の形。このような新しいコンセプトが出ると必ずと言っていいほど短絡的な解釈と無理解によるバッタ物の氾濫が起こります。少なくともこのメルマガをお読みの皆様にはそのような紛い物に巻き込まれて欲しくないのであえて申し上げます。何度でも繰り返し読み、議論し、理解と知見を深めましょう。

5)本書の目次

はじめに 新しい組織モデルの出現
第一部 歴史と進化
第一章   変化するパラダイム
第二章   発達段階について
第三章   進化型(ティール)
第ニ部 進化型組織の構造・慣行・文化
第一章   三つの突破口と比喩
第ニ章   自主経営/組織構造
第三章   自主経営/プロセス
第四章   全体性を取り戻すための努力/一般的な慣行
第五章   全体性を取り戻すための努力/人事プロセス
第六章   存在目的に耳を傾ける
第七章   共通の文化特性
第三部 進化型組織を創造する
第一章   必要条件
第ニ章   進化型組織を立ち上げる
第三章   組織を変革する
第四章   成果
第五章   進化型組織と進化型社会

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「ティール組織」
英治出版 (2018/1/31)567ページ
フレデリック・ラルー(著)
鈴木立哉(訳)
嘉村賢州(解説)

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