こんにちは。本シェルジュ渡辺まどかです。
今月は梅雨の季節ということで、「水」という共通テーマでお届けしています。
本日ご紹介する本は、人気お天気キャスターとしておなじみの森田正光さんが綴ったビジネス書です。
「水」「雨」で検索してひっかかった1冊ですが、決してお天気に関する本ではありません。
わずか数分のお天気コーナーのために膨大な情報を集め、整理・分析することでその情報に付加価値をつけるのが、お天気キャスターの仕事だという森田さん。
彼は、2つの会社の経営者でもあります。
卓越した着眼点で、いかにウェザービジネスという分野で事業拡大をしたのかといった内容についてだけでも、一読の価値ありです。
もちろん、気象に関する情報も満載で、「お天気」という誰しも共通して関わりのある分野だけに、ビジネス上のネタとしても使えます。
是非、お手にとってみてください。
<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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「大手町は、なぜ金曜に雨が降るのか」
森田正光著
梧桐書院(2009/11/18)
amazonURL http://amzn.to/mPn7h6
今回の登場人物紹介
■ティアラ 「お天気キャスターの2~3分で構成を組み立てるスキルはすごい」と思いながらお天気ニュースを見てしまう 
■ひかる ティアラの妹。「子供を児童館に連れて行く時間の天気はどうかな?」ということしか気にしない
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ティアラ: お天気キャスターって、最近は個性ある人たちがたくさんいるけど、昔は淡々と「晴れ」とか「雨」とかしか言わない人たちっていうイメージだったよね。
ひかる: たしかに、昔からずっと活躍し続けているお天気キャスターの人って、あんまり思い浮かばない。
ティアラ: 森田さんが手がけているビジネスのひとつが、お天気キャスターの養成なんだけど、この着眼点がおもしろいんだよ。気象予報士からお天気キャスターを選ぶのではなくて、お天気キャスターとして向いてそうな人材を発掘して気象予報士の資格をとらせるようなこともしているんだって!
ひかる: へぇ!おもしろいね!たしかに、最近はアイドル風の気象予報士とか、やたら弁が立つ個性派キャスターとか、増えてるもんね!これからは、ちょっと気にしてお天気ニュースをみてみよう。
ティアラ: 堅実な無借金経営を続けている経営者としての側面も、とっても学ぶところが多くておもしろかった。どんな業界でも、経営者に求められる基本的な心構えは共通なんだって、改めて思ったよ。
ひかる: お姉ちゃん、仕事の話しているときは、ホント楽しそうだよね。早く会社起こして妹孝行してよ。
ティアラ: …その前に、永久就職しなくちゃ…
ひかる: その表現、古い…
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〓 2)付箋                            〓
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■僕の場合は、とおりいっぺんのお天気情報にしたくないという思いがあるから、気象分野を大きくはみ出して、歴史や社会、文学にまで範囲を広げて、ネタになりそうな話題を探す。だから、下調べに要する時間と労力は半端ではない。
■気象庁の根幹の仕事はあくまで「予報」である。「梅雨明け」などの発表は、予報とは違って、統計として毎年積み重ねていくための、単なるデータなのだ。
■信頼性が高く魅力あふれる天気解説はどうすればできるようになるのかを「解説十箇条」として、次の一〇のポイントにまとめている。
①結論から言う
②センテンスは短く、簡潔に
③比較すること、比喩を用いること
④定量的に
⑤ポイントを絞る
⑥専門用語、難解語をも、あえて使う
⑦決まり文句、常套句は極力使わない
⑧同じ言い方、言葉は繰り返さない
⑨たえず斬新な伝え方を工夫する
⑩文字より絵、絵より実物で表現を
■人になにかを伝えようとするとき、「存在のキャスター」は、自分をよく見せようとはしない。負い目や欠点も含めて、「自分」なのだから、そのままの自分を誠実に、人にぶつけていけばいいのだ。それで壁や限界を感じたら、そのときに冷静に自分を見つめ、変えていくところは変えていく。それでいいと思っている。
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〓 3)今日の気づき                       〓
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お天気キャスターもビジネスパーソンも、「情報を扱う」という意味では同じ心構えが必要。自分自身の「役割」ではなく、「存在」を意識したい。
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〓 4)本書の目次                     〓
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序章 たったひとつの情報が明暗を分ける
第一章 ウェザービジネスは「ブルーオーシャン」だ
第二章 プランは足かせになり、不況は追い風になる
第三章 「役割の人」になるか、「存在の人」になるか
第四章 「信じない」から見えてくる
第五章 仕事は「見栄との戦い」である
終章 すべては「大手町」からはじまった
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「大手町は、なぜ金曜に雨が降るのか」
森田正光著
梧桐書院(2009/11/18)
amazonURL http://amzn.to/mPn7h6
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