まだ、梅雨の季節が続きそうですね。本シェルジュの村上知也です。
今日は、もやもやした梅雨を吹き飛ばすのではなく、
雨を楽しめる2冊の本を紹介します。
水の国の日本、季節の様々な移り変わりがある日本。
雨の名前が何種類あるかご存知ですか?
本日紹介する本の中では、400を超える雨の名前が季節ごとに登場します。
優しい雨、激しい雨、ひなびた雨・・・
 季節ごとの日本の季節を撮影した写真と共に、
  雨の種類を学んでみませんか?
また、今日は特別にもう一冊、雨に関わる小説を紹介します。
<目次>
  1)今日のオススメの二冊
 2)付箋
 3)気づき
 4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの二冊目            〓
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『雨の名前』
高橋 順子 (著), 佐藤 秀明
小学館 (2001/05) 159ページ
http://amzn.to/muDPai
雨の名前422語 雨の写真148点 雨の詩とエッセー35編
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[S子] 
ああ、「雨濯(うたく)」のように、雨が降ればいいのに。
[村上] 
どうしたんですか?また、悪いことでもあったんですか?
[S子] 
あの、「女梅雨(おんなづゆ)」のような、彼と別れたのよ。
「天泣(てんきゅう)」な気分だわ。
[村上] 
S子さんが、「男梅雨(おとこづゆ)」過ぎるんですよ。
[S子] 
・・・私の、「喜雨(きう)」はいつ来るのかしら・・・
[村上] 
いつも「白雨(はくう)」のような恋愛してるから駄目なんですよ。
・雨濯(うたく):みな洗い流してしまうほどに降る雨。
・天泣(てんきゅう):晴れ渡った空から降る雨。
・女梅雨(おんなづゆ):しとしとと長く降り続く型の梅雨。
・男梅雨(おとこづゆ):ザーッと激しく降ってはサッと止むことを繰り返す明快な梅雨。
・喜雨(きう) :長い日照りの後に降る雨。農家が待ち望んだ雨。
・白雨(はくう):夕立、にわか雨。
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 もう、一冊、雨といえば、どうしてもこの小説を紹介したく。
『死神の精度』
伊坂幸太郎
文藝春秋 (2008/2/8) 345ページ
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 死神の千葉さん。
 彼は雨の日しか、仕事をしない。いや、彼が仕事をする日が雨なのだ。
 若い女性から、ヤクザ、殺人者、そして老女まで。
 千葉さんは、雨の中、たんたんと生死を決定していく。
 「人の死には意味がなくて、価値もない」雨の中で千葉さんは、そう思う。
 なのに、あったかくて、ユーモラスで、CDショップに入り浸る。
 6つの短編が、重なりあったとき・・・
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です            〓
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・P.68
 夕立(ゆうだち):「ゆだち」とも。夏の夕方などに急に烈しく
 降ってくる雨のことで、ここで降っていても隣町では降っていないというような雨。
 昔から夕立は「馬の背を分ける」とか「牛の背の片側には降らない」などと
 局地的な降りを面白くいう。
 「よだち」「白雨(しらさめ/はくう)」ともいう。
 長野県佐久郡では、浅間山の方角から来る夕立を「浅間立(あさまだち)」という。
 また、愛知県知多半島では西南の伊勢の方からくる夕立を「伊勢むらだち」、
 沖のほうから来る場合は「沖むらだち」という。
・雨男と雨女
 雨女の目が大きくなって
 水たまりがどんどんできてくる
 あっちにも こっちにも
 あの女 いくつ目があるのだろう
 雨女のそばには
 雨男がいて
 憂鬱な青い顔をしている
 雨男が片目をつむると
 雨女は雨の髪を洗う
 すてきなストレート・ヘア
 濡れ髪に
 紫陽花一りん
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〓 3)今日の気づき                    〓
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 雨だから、あえて、アンニュイな気分に浸って、
 雨を観察してみませんか?
 小さな発見が、きっとありますよ。
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〓 4)本書の目次                     〓
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春の雨
-春の雨
-今日は重馬場
-雨天決行・花見の宴
-春の氷雨
-黒いレインコート
-雨の名前
夏の雨
-夏の雨
-雨乞いの歌
-あじさいの花は嫌いだったけれど
-貴船川の蛍
-さみだれストとさみだれ髪
秋の雨
-秋の雨
-引越しの夜
-三びきのガマ
-幻の「雨の名前」
-海辺の台風
-雨の名前
冬の雨
-冬の雨
-時雨と俳人たち
-雨傘お化けのように
-あめんこ
-隠岐の雹
-雨の名前
季知らずの雨
-季知らずの雨
-雨の時間
-すべって、ころんで
-雨の力
-朝の雨
-雨のいろ
-傘を届けに
-たとえて雨
-雨の音
-雨を見る人
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『雨の名前』
高橋 順子 (著), 佐藤 秀明
小学館 (2001/05) 159ページ
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『死神の精度』
伊坂幸太郎
文藝春秋 (2008/2/8) 345ページ
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