皆さまこんにちは。「本シェルジュ」の設楽英彦です。

年内最後の紹介とあって、やっぱり(締めくくりとして)「LIFE SHIFT2」かな~とか思っていました。ですが、この数年で「学び直し」「人生3ステージの時代が終わった」という類の議論は幾度となくなされてきました。ということもあり、私が取り上げるよりもメンバーのどなたかにお任せしたい、そんな気持ちです。(こういうのを丸投げともいいます(^^))

ここでは、マーケティング本にして最愛の子どもへのメッセージでもある、「苦しかったときの話をしようか」を紹介します。著者の森岡さんはいわずとしれた、日本を代表するマーケッター。しかし、この本はUSJ立て直しといったことではなく、彼がP&G時代からキャリアを積み重ねてきたことを自分の子どもの宛てたメッセージとして描かれています。

感想を一言であらわすと「勇気づけ」です。年末年始に本書を読み、2022年、スタートダッシュかけてみませんか?

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 1)本日紹介する書籍
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苦しかったときの話をしようか
~ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」~
ダイヤモンド社 (2019/4/11) 308ページ
森岡 毅(著)

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 2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?
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・ (帯の通り)キャリアに悩む全ての人に
・ 大きな不安と戦っている方に
・ コロナ時代、働くことの本質を考え直したい方に

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 3)付箋~本書からの内容抽出です ※太字部分は本文に従っています。
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■P.7
「森岡家の家宝にしておくにはもったいない原稿です。これは世に出すべきです!森岡さんの子供たちでなく、終活に臨む若い世代、いや、キャリアに悩むすべての人に役立つ本質的な書籍になります!」(注:この箇所は編集者が原稿を読んだ時に出てきた言葉です。)

■P.13
この世界は残酷だ。しかし、それでも君は確かに、自分で選ぶことができる!
すべては、あなたらしい道筋を見つけるために。本書がその一助になることを願っています。

■P.24
自分の中に基準となる軸がなければ、やりたいことが生まれるはずも、選べるはずもない。採点基準がないのに、自分の演技をどうしていきたいとか、目の前の演技の良し悪しを判断しろとか言われても、それは反応できない”無理ゲー”だろう。

■P.34
SMAPの大ヒット曲「世界に一つだけの花」の歌詞は、半分だけとても正しいと思う。確かに誰しもが”もともと特別なOnly One”だと思う。(中略)
オンリーワンとは、ある文脈においてのナンバーワンを指すことを忘れてはならない。花も人も相対的に競争をある程度は勝ち残らないと、商品や労働力としても買ってもらえないのだ。

■P.70-72
わかりやすく言うと、君がどの職能を念頭にどの業界のどの会社に就職するかを選んだ時点で、将来における君の年収はほぼ自動的に決まっているということになる。(中略)世界の法則としてここまで受け入れた上で、私が君に助言したいことが2つある。まずは年収の期待値の上下を知った上で、それでも自分にとって情熱を持てる仕事を選ぶべきということだ。(中略)その次に覚えておいて欲しいのは、どの業界でもある程度のプロになれば、それまで培ったスキルと実績を土台にして”職能のステップアップ”が可能になるということだ。

■P.103
自分の目的に合致するかどうかが最重要なのであって、目的に合わない就職や転職ならば、どれだけ業績の良い企業に入っても意味がない。自分のキャリアの目的を明瞭にしない限り、企業分析のポイントも出てきた情報を判断する際にも、すべてピンボケになるので注意してみてほしい。

■P.152
(パフォーマンスをあげるために)大前提として私が信じているのは、「伝え方(HOW)」よりも「中身(WHAT,何を伝えるか)こそが、遥かに重要な意味を持つということだ。(中略)確信を持って言えることは、土壇場において、あるいは人生において、「伝え方が9割」でじゃなく「内容が10割だということだ。

■P.243
己の状態を傾ける仕事を選べる自由を手に入れなければならない! もっと過酷な状況でも結果を出せる人間にならなければならない! そのために必要なのは職能(スキル)だ。自分が選んだマーケティングという職能で、もっと圧倒的な戦闘力を身につけなければならない。

■P.245
プロの世界で本気で競争している最前線ではどこの世界にも普通にあると思っていた方がいい。プロの世界で最初から友情や親切を期待するのは単なる「お人よし」であり、淘汰される「負けのマインド」であることを覚えていてほしい。

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 4)今日の気づき                       
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 本書では5章から怒涛のように急展開を見せます。それが本著が13万部売れた理由だと思います。そしてこの章は森岡氏の「自己開示」でもあります。華々しい経歴をつい思い浮かべてしまうのですが、こんなにも思い悩んでいたのか、とのめりこんでしまいました。

 ただ、そのあたりをうまく引用して雰囲気が伝わるように・・・本書の感想を書くのは難しかったです。森岡氏ご自身の壮絶な体験の手前には、彼の考えている職業観、人生訓があって初めてその話が活きてくるからです。ですので、ここから先は(平凡ですが)本著を手に取って読んでほしい、となります。(特にキャリアに悩んでいる方に)

 あとは「おわりに」で日本人はもっと強くならなければならないと述べています。少子高齢化が進み、日本自体が貧しくなる時代がきたとき、生き残る道は「社会を活性化させる人材を輩出する構造を強化する」ことだと筆者は述べています。従って、本書は私のキャリアだけでなく、愛娘のキャリアにも大きな影響を与えてくれる、そんな1冊でした。 
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 5)本書の目次                        
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■目次
はじめに 残酷な世界の”希望”とは何か?
1章 やりたいことがわからなくて悩む君に
2章 学校では教えてくれない世界の秘密
3章 自分の強みをどう知るか
4章 自分をマーケティングせよ!
5章 苦しかった時の話をしようか
6章 自分の”弱さ”とどう向き合うのか?
おわりに あなたはもっと高く飛べる!━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
苦しかったときの話をしようか
~ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」~
ダイヤモンド社 (2019/4/11) 308ページ
森岡 毅(著)
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