こんにちは。本シェルジュの岩永です。
今回が2回目となります。
前回は、少し古い本をご紹介いたしましたが、今回は新刊のご紹介です。

いわゆる「ビジネス小説」と呼ばれるジャンルの本です。
この手の本は、当たりとハズレが両極端になる傾向がある気がしますが、
本書は、「大当たり」だと思います。
小説パートと解説パートが並行しており、若い人にも読みやすい内容に
なっています。
<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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戦略参謀―――経営プロフェッショナルの教科書
稲田 将人 (著)
ダイヤモンド社 (2013/8/30) 428ページ

今回の登場人物紹介
◆I部長:新規事業の事業部長
◆K太:入社7年目の主任
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K太:部長、すいません。任されていた商談、失注しました(>_<)

I部長:そうか。それは、残念だったな。K太なりに、なぜ受注できなかった
かの分析はできているのかい?

K太:はい、それはできています。ある程度まとめているので、
いつでも提出することはできますが、ただ、多少、事業のあり方そのものへの
批判めいたことも入ってしまうのですが、大丈夫でしょうか…?

I部長:もちろんさ。むしろ、そういった失敗事例からどんどん、改善点を
吸収して、方向修正をしなければならないんだからウェルカムだよ!
我々は、既存事業とは異なった新しいことをやっているんだ。どんどん
PDCAを回していかなければならないんだ。

K太:部長、ありがとうございます(;ω;)
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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■第2章 「バケツの中身」が重要だ より
・「本来重要なのは、失敗を賞賛する文化づくりだ。」P.96
・「企業がずっと成長していくためには、新しいことに挑戦し続ける必要がある。
そして、あたらしいことへの挑戦には常に失敗のリスクがつきまとう」P.97
・費用と手間をかけたせっかくの失敗を、失敗したという事実だけを残して
放置してしまうことほど、もったいないことはない P.134
・PDCAが回っていない理由は、いくつも挙げられますが、その根にあるのは、
「人、性善なれど、性怠惰なり」ということです。P.135
■第3章 経費削減と経費低減は違う より
・「経費低減は本来、企業が定常的に行っていかなければいけないもので、
費用対効果を考えて、経費を上手に使う、安定的な利益確保のための活動の
ことだ。決して、号令をかけて、経費をばさっと切るようなものではない」
P.158~159

■第8章 社内の「憑き物落とし」 より
・「基本は、目的を明確にした上での制度、しくみを構築し、よい文化を
維持する仕掛けをするということにつきるのだ。企業においては、創業時の
精神が残っている時に、これらの、制度、しくみ、文化などをきちっと
つくっていくことが一番望ましい」P.421

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〓 3)今日の気づき                       〓
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「ビジョナリー・カンパニー」では、偉大な企業の創業者というものは、
「時を告げるのではなく、時計をつくる」と書いてありましたが、同様の
ことを本書を読んで感じました。創業者は、個人の経験則の中で仮説検証を
行っている。しかし、2代目以降になると、経験が不十分であるために
うまくPDCAを回ることができない。だからこそ、経営者の意図を組んだ
「参謀」が必要であると。
本書は、小説としても楽しめました。最後のくだりは、まるで京極夏彦を
読んでいるような印象でした♪

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〓 4)本書の目次                        〓
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目次:
第1章 高山、最初の地雷を踏む
第2章 「バケツの中身」が重要だ
第3章 経費削減と経費低減は違う
第4章 社員がやる気になる人事制度とは
第5章 起死回生の販促プラン
第6章 混沌のなか、海図を求める
第7章 新業態を立ち上げる
第8章 社内の「憑き物落とし」
戦略参謀―――経営プロフェッショナルの教科書
稲田 将人 (著)
ダイヤモンド社 (2013/8/30) 428ページ