みなさん、こんにちは。本シェルジュの岩永です。

2度の列島縦断の台風を経て、すっかり秋めいてまいりましたね。
そして、秋と言えば、読書の秋!
みなさんは、どれくらい本を読まれていますか?
本シェルジュメンバーの一人なのに、私も最近はついつい電車の移動中にゲー
ムなどで時間をつぶしてしまいますが、いろいろな方の凝縮した知識・経験を
味わえる読書にこそ、もっと時間を割かなければならないなと思っております。

今回、ご紹介するのは、「物を売るバカ」というなかなか刺激的な本です。
今年の5月に出版されて以降、口コミを中心に増刷が続いています。

著者の川上さんは知る人ぞ知るストーリーブランディングの第一人者です。

物(商品もサービスも)があふれかえる時代、簡単に売れないことはわかって
いても、いったいどうしたらいいんだろうという悩みに対して、ヒントを与えて
くれる本です。

新書版で読みやすいので、ご興味ある方は是非読んでみてください。
面白いです♪

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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物を売るバカ
売れない時代の新しい商品の売り方
川上 徹也 (著)
KADOKAWA/角川書店 (2014/5/9)207ページ
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物を売るバカ 売れない時代の新しい商品の売り方 (角川oneテーマ21)

今回の登場人物紹介

ある夫婦の会話…
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夫:
最近、美容室変えたの?

妻:
そうなのよ。ママ友にきいたお店でね。カットしてもらっている間は、
子どもの面倒を見てくれるお店なの。子ども用の部屋にカメラがついてて
カットやカラーしてもらっている間にモニターから様子を見ることもできる
のよ。

夫:
おぉ。斬新だね。でも、ママの潜在的ニーズに応えているよな。
美容室の数もコンビニより多いっていうから、そういうとこで差別化
しないとなんだろな。
ただ、今読んでいるこの本によると、そういった表面的なサービスも重要だけ
ど、「物語(ストーリー)」が重要だって書いてあるぞ…

妻:
差別化だ、物語だ、よりも、あなたが、週末くらいもうちょっと家に居る時間
が取れれば、私はもっと自由なのよ!(怒)

夫:
あ、すいません( ゚Д゚)

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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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■P.9~12より
今、教科書的なマーケティングだけでは考えられない「売れる」という現象が
全国各地で多々おこっています。
(中略)
商品が売れる要素は、教科書的には「価格」「品質」「広告」「流通」が重要
だと考えられてきました。確かにそれらの要素はとても重要です。
しかし、それらの要素で勝負しようとしたら、大多数の小さな会社やお店の商
売は、やがて立ち行かなくなってしまうでしょう。
(中略)
それなのに、売れているのはなぜでしょう?
それは、「価格」「品質」「広告」「流通」以外の選ばれる要素が存在するか
らです。つまり「商品」そのものを売らずに別の要素を売っているのです。
(中略)
では、その要素とはなんでしょう?
それは、ずばり。
「物語(ストーリー)」です。

■P.18~19より
「物語で売る」のが難しいのは、メーカーでも特に目立った技術が必要でない
製品を企業向けに販売している業種です。卸売業や代理業も、商品やサービス
を媒介しているのが基本なので難しいと言えるでしょう。また小売でも一般的
にどこでも売られている商品を扱っているお店、たとえば「家電」「ドラッグ
ストア」「酒屋」「ガソリンスタンド」「花屋」「スーパー」「コンビニ」な
どといった業種も難しいと言えます。
これらの業種はどうしても他店と差別化できにくいのは事実です。するとどう
しても価格競争になってしまいがちです。そうすると大手が有利になります。
では、そんな会社やお店では、「物語で売る」ことはできないのでしょうか。
そんなことはありません。その場合は、商品以外に「物語」の種を求めればい
いのです。たとえば、経営者が持っている「志」「理念」も「物語」になりま
す。

■P.20より
従業員や家族から支持してもらうためには、その会社やお店が持っている「志
」「哲学」「世界観」などを、外部に向けるだけでなく、内部に向けてもきっ
ちり発信していく必要があります。いわば会社やお店が「すすむべき道」をし
めすということです。

■P.52より
なぜ、「物語」で発信すると効果があるのでしょう?
根底にあるのは、人類が「物語」を大好きな動物だということがあります。

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〓 3)今日の気づき                       〓
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他にも引用した箇所がたくさんあるのですが、「物語」の重要性のみに留めて
おきます。本書には、『「物語」を使う7大メリット』、『ストーリーの黄金
律』、『ラブストーリー戦略』などの重要ポイントのほか、たくさんの事例が
載っています。
私自身が読んで感じたのは著者の川上さんは、日本の多くの企業が品質はもと
よりサービス面においても、かなり努力しているということを前提に書かれて
いるのなか?という点でした。
しかし実際は、サービス業でも、客が入ってきた瞬間に「あぁ来ちゃったよ」
という表情が出てしまう店員も数多くいますし、前提となる部分で普通の努力
をもっとしなければならない企業やお店はたくさんあります。
そういう店員さんを少なくし、経営者の考える道を示すという観点においても
「物語(ストーリー)」を活用するというのは、とても素晴らしいアイディア
だなと思いました。

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〓 4)本書の目次                        〓
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第1章 スーパーより高い野菜が通販で売れる謎
   ~人は物だけを買っているのではない
第2章 なぜこの「もやし」が買いたくなるのか?
   ~どこにでもある商品でも物語は作れる
第3章 「奇跡のリンゴ」が映画になった理由
   ~人類共通の感動のツボとは?
第4章 小さなオフィス機器販売会社がモテる理由
   ~価値を「見える化」する3本の矢
第5章 同じ新幹線の車内販売で4倍売れる秘訣
   ~お客さんと相思相愛になるラブストーリー戦略
第6章 結局すべては「人」なんだ、という法則
   ~人は人の思いに共感する。共感すると買いたくなる

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物を売るバカ
売れない時代の新しい商品の売り方
川上 徹也 (著)
KADOKAWA/角川書店 (2014/5/9)207ページ
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